2013年3月30日土曜日

秋田市の水は高いのか安いのか?

仁井田浄水場のカンちゃん
東京で暮らしている時、秋田の実家に帰ってきて何気なく水道料金を見たらその額にびっくり。母に、「すごい水道料金だねぇ」というと、「庭に毎日水撒いてるからね。でも使った水の量だけ、下水道料金もかかるから高くなってしまう。庭は下水道使わないのに」と嘆いていました。

議員になり、上下水道局の方に、下水道を使った分だけの料金体系にできないものかを聞いたら、下水にメーターつけるコストがすごくなって、どちらが安くなるのか・・・という返事。地下にメーターつけるのが大変なら、我が家のように外の水道分は下水道使わないから蛇口にメーターつけて、その分引くとか・・・などと考えてみたがその家庭によって状況が違うから一斉にともいかないだろう。公平に行うことは難しい。「下水道代」これは今後も引き続き考える必要があるだろう。

さて、下水道は除いて、秋田市の水道代は高いのだろうか?



1か月20㎥を使用した場合の料金を秋田県内の市、町を比較してみた。

1か月20㎥を使用した場合の料金
1.にかほ市 1,533円、2.北秋田市 2,445円、3.秋田市 2,730円、4.大仙市 2,800円、5.由利本荘市 2,835円、6.男鹿市 2,929円、7.湯沢市 2,962円、8.能代市 3,202円、9.三種町 3,210円、10.井川町 3,460円、11.横手市 3,486円、12.大館市 3,769円、13.五城目町 3,780円、14.仙北市 4,080円、15.潟上市 4,084円、16.鹿角市 4,130円、17.羽後町 4,210円、18.小坂町 4,987円、19.八郎潟町 5,040円
(消費税含む・水道料金表H23.4.1/日本水道協会資料)

秋田市ではペットボトル500本で約200円という料金で、3番目に安い料金である。にかほ市にあまりにも安いので理由を問い合わせてみたところ、水源をいろいろな場所から得ており、水の浄化コストが少ないのではとの話でしたが、今後施設老朽化などでこのコストを維持できるのか問題になるかもしれないとのことだった。
安いから素晴らしい!とも一概には言えないようだ。


同じく東北主要都市(人口20万人以上)との比較

※八戸圏域=八戸圏域水道企業団

中核市(都市の規模が同レベル)の平均は2,542円であり、東北は中核市の平均よりも高い傾向があることがわかる。

この理由を調べて行くと、地形や自然環境によるところが大変大きいことがわかる。
浄水場に行ってその状況を確認してきた。

浄化槽
浄水するための浄化槽。冬は氷が張ってしまうのが東北ならでは。秋田市は雄物川から水を取水しているため、豪雨や雪解け水などの諸条件により濁り、浄化方法も季節によって変えていかなければならない。経験や技術、濾過システムなどのバランスで水を安定供給するための地道な作業が続いている。

仁井田浄水場
秋田市は雄物川横の仁井田に中心となる浄水場があり、これを各家庭に届けるには、高い位置まで水を送りださなければならない。手形山配水場が高い位置になる。

以前、駅東の区画整理(第三地区)の話をしていた時、手形の元のいとく、現在のパチンコ店周辺の旧道を優先して整備した方が交通に便利なのではと言ったところ、ちょうどその手形山への送水管がその場所を通っているため、秋田市内全域の水道供給に影響が出るので簡単にはできないとの回答だった。目に見えないところに大切な物が埋まっていることに驚き都市整備の難しさを感じた。

もし、水源が山の上にあり、そんなに浄水しなくても良い水で、都市部の上に浄水場を作ることができ、その下に水道を使う人達が住んでいたら、そんなに水道代はかからないかもしれない。水道料金はその土地が生み出す特徴なのかもしれない。

秋田市の水は高いのか?

25年度予算に、仁井田浄水場の老朽化に伴う更新検討業務がある。耐震補強などと違い、水は市民の健康、安全を確保するためにも万全を期すことが必要。もしかしたら、今の水処理だけなら安くすることができるかもしれない。しかし、今後を考えると水道代を安くするために老朽化を放置することはできない。

今読んでいる本。競争環境下の水道事業 公営事業改革と消費者選択。 この本によると、「わが国では水源開発の時代はもはや峠を越し、結果的に過剰投資の水道事業体が多く、さらに今後の施設更新のための費用が高騰するという三つの問題点を抱え、水道料金は上昇傾向にある」とある。


近年、水道の使用料は全体的に減ってきている。ミネラルウォーターへの切り替え、人口減少、節水家電の増加など。日欧の生活用水の使用を比較すると、日本の水洗トイレの普及度合がポイントとなりそうだ。2006年の東京都水道局調べデータを先の本から以下に転載。

水道の使用量が減少傾向にある今、老朽化に伴う施設の更新も小さくすることができるだろう。しかし、小さくすることができても、水道料金を変えるほどの要因になるのか。
秋田市の水道料金は平成8年に実施され現在に至っている。今後この価格を維持することができるのか?あるいは上げるのか、下げるのか。今後も注視していきたい。

しかし、私は消費者として水は命に係わるものだからこそ、高い安いではなく、いかに安全に安心して飲めるかを重要視したい。
GLP
秋田市の上下水道局はGLP(Good Laboratory Practice の略で、「試験検査の業務管理」)を取っているそうだ。
(お詫びと訂正:先にISOと書いていましたが、ISO基準にも合致しているGLPの取得が正しいとのことです。申し訳りませんでした。)

仁井田浄水場でその仕組みを見せてもらい、いろいろ教えてもらってきたが、細かいので、ここでは書かない。

秋田市は雄物川の水を飲んでいると聞いて、流れている川を連想したが、浄水場の管理を見て、消費者として安心した。東京から秋田に帰ってきて生活で感じたのは、髪を洗った時同じシャンプーで洗ってもキシミが少ないこと。きっと水質が良いからでは?と私は勝手に思っている。


尚古い話だが、平成21年9月7日平成20年度包括外部監査の結果に対する措置状況についてが公開されており、上下水道局の財務事務及び事業の管理運営について監査結果について措置したことが報告されている。

【参考】(平成23年4月1日)
富山市:1カ月の20㎥の水道料金は2,205円、給水人口417,122人
秋田市:1カ月の20㎥の水道料金は2,730円、給水人口320,044人

【監査結果の要旨の一部】
Ⅱ 各論 -1- 水道事業
2.平成19年度決算統計による他都市比較及び検討
ア 非効率的資金運用(①概要のウⅲ)について(意見)
 早急に「資金運用規程」を整備し、効率的な資金運用を実施すべきである。
イ 基準外繰入金の妥当性(①概要のウⅳ)について(意見)
 平成19年度には、補助金を収受する根拠が無くなっているにも拘らず、基準外の補助金を収受している。未だこの補助金を収受するための法的根拠の代替措置は採られていない。補助金を収受する根拠が無いのであれば、返還すべきと考える。
ウ 受託工事収益の表示について(意見)
 受託工事(3条分)については、受託工事収益よりも受託工事費用が多く不自然である。これは無償工事がある為であるが、少なくとも無償工事費は受託工事費から除外し、配水費の中の修繕費を予算として計上し対応すべきである。
エ 秋田市の水道事業職員数(概要のウⅰ)について(意見)
 退職給与金を除く職員給与費を比較すると、秋田市は14億5,866万円に対し、富山市は8億2,873万円である。
 職員数については、秋田市が188人、富山市が121人、秋田市は富山市の1.55倍の職員を抱えている。
 一人当たりの職員給与費を比較すると、秋田市は776万円、富山市は685万円である。平均年齢がどちらも45歳であるから、秋田市の給与水準は富山市に比べ高いと言える。
 部門別の人員比較では、
ⅰ 原水浄水部門は、年間総配水量を基準に地域差を考慮した上で富山市の70%の作業効率を前提に計算すると9人が過剰であり、ⅱ 配水給水部門は年間総配水量千m3当たりの費用比較から9人、ⅲ 業務費関係は検針業務等の外部委託により21人、ⅳ 総係費関係は総係以外の職員数に対する総係職員の割合により6人、損益勘定の合計で45人が過剰といえる。


【措置の内容の一部】
Ⅱ 各論 -1- 水道事業
2.平成19年度決算統計による他都市比較及び検討
ア 非効率的資金運用(①概要のウⅲ)について(意見)
 資金運用については、「秋田市資金管理方針」に基づき、平成21年3月から定期性預金での運用を実施中であり、今後は、国債等での運用も研究していく。
イ 基準外繰入金の妥当性(①概要のウⅳ)について(意見)
 この補助金については、総務省通達により、平成19年度まで繰り入れられてきたが、国の意向を踏まえ簡易水道事業を上水道事業に統合したことに伴い、基準外として整理されたことから、平成19年度分の補助金については、一般会計に返還した。
ウ 受託工事収益の表示について(意見)
 工事を受託した時点では、有償か無償か明確で無いものがあることや、無償工事であっても受託されている工事であることから、受託工事費として整理しているものであるが、ご提案の手法がより合理的であるかどうか研究していく。
エ 秋田市の水道事業職員数(概要のウⅰ)について(意見)
 一人当たり職員給与費については、損益勘定に係る職員給与費を、それに対応する損益勘定職員数で除した場合、本市の給与水準は富山市に比べ低いと言える。
 本市としても、各種業務指標による分析により人員が多い状況を認識しているが、富山市と秋田市では各部門における業務形態等の違いがあり、一概に業務指標だけによる人員比較はできないものと考えている。
 現在は、第4次行政改革大綱に掲げる定員管理に基づき、退職者不補充等により段階的に人員の削減に努めているところであるが、再度現状の業務状況を分析しながら、労働生産性等も考慮した上で、将来を見据えた定員計画を年度内に策定することとした。
 なお、平成21年度の人事異動では、前年度退職者数5名をさらに上回る11名を減員し、平成21年5月1日現在171人となっている。